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ジャーナル

株式会社MJS Finance & Technology | エムエフティー(MFT)

経理担当は社内か、アウトソーシングか、そのメリットとデメリット

経理業務は、印鑑が必要であったり、紙を要したりする作業が多いため、企業の経理担当は社内で仕事をするべきと考えられてきました。

しかし、コロナ渦により企業のDX化が進みリモートワークが可能になった今、果たして経理担当が社内で仕事をする必要はあるのか?という疑問が生じ始めています。 今回は、経理業務を社内で内製化するかアウトソーシングするか、どちらが良いのか、そのメリットとデメリットから、アウトソーシングをする際のポイントと注意点についてご紹介します。

経理は経営管理の略称

経理は、「経営管理」の略称であることを皆さんはご存知でしょうか?

経理には明確な定義が定まっているわけではないため、各企業が定義する経理の目的により異なりますが、筆者が考える理の目的は、会社の最高経営層の意思決定を助けることだと考えます。

経営思想家のピーター・ドラッカーは、「経営者の仕事は、事業を決めること、資金を配分すること、人を配置することである」と述べています。経理担当の仕事は、経営者のこれらの仕事を手助けすることだと捉えてよいでしょう。

経理担当の仕事内容

経理担当の仕事を分けると3つに分類することができます。

日常業務

・経費精算

・小口現金の管理

・売上金の計上・支払い

・預金管理(記帳)

・伝票作成・記帳

・領収書や納品書など各種伝票の管理

月次業務

・売掛金管理

 請求書の発行や、前月分の請求に応じた入金を確認します。

・買掛金管理

 こちらが支払うべき請求書の金額を確認し、支払日に支払いを行います。

・給与計算  

 給与を計算し、支給します。

・経営層への報告

 試算表や損益計算書を作成し、経営層へ報告を行います。

年次業務

・決算書作成

・税務申告

 税金を納付するために、決算書を作成し、税務署に決算申告を行います。

経理担当を社内に置くメリット

①迅速で柔軟な対応

経理業務をアウトソーシングする場合、契約に基づいて業務が行われるため、契約外のことや急を要する仕事などに関しては、対応が遅れることがあります。経理担当者が社内にいる場合は、それらを迅速かつ柔軟に対応することができるため、滞りなく仕事を進めることができます。

②社内にノウハウが蓄積される

経理担当者を社内に置くことで、経理に関するノウハウが社内に蓄積されます。例えば、法改正により新たな知識を社内で蓄積したり、国税関連の書類の作成や、帳簿の作成などのノウハウを社内で蓄積することができます。

③情報漏洩の回避

クラウド型のシステムを利用すると、IDやパスワード次第であらゆるデバイスからアクセスすることが可能になり、情報が外に漏れてしまう可能性が高まります。社内に経理担当者を置く場合は、情報漏洩の可能性を回避することができます。

経理担当を社内に置くデメリット

①経理担当者のコストがかさむ

経理業務には繁忙期と閑散期があり、繁忙期には人が足りなくなることもありますが、閑散期には人員を余らせてしまいがちです。この時も、繁忙期と同じ給与を社員に支払わなければならず、会社としてはコストがかさみます。

②不正が行われる可能性がある

経理には専門的な知識を必要とする場面が多々あり、どうしても属人的な経理業務が行われてしまいます。属人的になると情報がブラックボックス化してしまい、経理担当者による不正が行われることもしばしば。

③時間がかかる

片手間で経理業務を行っている場合は、知識不足から経理業務に時間がかかってしまい本業にかける時間がなくなってしまうこともあります。また、経理の専門知識を取得するために勉強する必要があります。

経理担当を社外に置くメリット

①経理のプロに任せられる

経理を専門としたプロに任せることができるため、経理業務の質が向上します。法改正に伴った経理業務の変更にも迅速に対応することが期待できます。専門知識を必要とするような業務もスムーズに行うことができます。

②人件費削減

経理担当を雇っていた分の給料を削減することができます。経理担当を数人雇っていた企業に関しては、人数を減らすこともできるため大幅にコストを削減することができるメリットがあります。

③不正を防止できる

経理担当を社内におくと、長く時間を共有する中で経理担当と社員が密接な関係になりやすく不正が起こることもあります。経理業務をアウトソーシングすることで、第三者の目が入ることにより、これまで目の届かなかった不正を防ぐことが期待できます。

④本業に集中できる

経理業務を兼任している社長や社員の方がいる場合、経理業務の頭にスイッチを切り替えることなく本業に集中することができ、仕事の効率をあげることができるでしょう。

経理担当を社外に置くデメリット

①経理業務のノウハウを社内で蓄積できない

経理業務をアウトソーシングすることで、経理業務のノウハウを社内に蓄積することができなくなります。手を動かすことによって溜めてきた経理の知見に関しては、蓄積することはできなくなります。

②セキュリティ上のリスク

何のルールも決まっていない場合だと、社外の人間がデータを漏洩する可能性が出てきます。事前に守秘義務を結ぶなどして対策し、未然に防ぎましょう。

③外注管理の手間がかかる

経理業務をアウトソーシングする会社の担当者とやりとりする社員は必要になります。社員によってはやりとりにかなりの時間を有してしまうため、予めアウトソーシングする会社との間でルールを決めておいたり、経理の流れを把握しておき、外注先とのやりとりに時間をかけないようにする体勢を整えておきましょう。

上記のまとめの図表挿入

メリットデメリット
社内①迅速で柔軟な対応
②社内にノウハウが蓄積される
③情報漏洩の回避
①経理担当者のコストがかさむ
②不正が行われる可能性がある
③時間がかかる
社外①経理のプロに任せられる
②人件費削減
③不正を防止できる
①経理業務のノウハウを社内で蓄積できない
②セキュリティ上のリスク
③外注管理の手間がかかる

まずは社内整理から!

ここまで経理業務を社内に置くメリットデメリット、社外に置くメリットデメリットを見てきました。貴社がどちらの選択をするにせよ、まずは社内の整理から始める必要があります。経理業務を見える化させること、属人的な業務はルールを決めて標準化させること、セキュリティ面の確認と強化をしておくことなどが挙げられます。これらを整えることで、初めて経理業務をアウトソーシングすることができます。

社内整理終了後、経理業務のアウトソーシングをするための準備を次の章でご紹介します。

経理業務を社外に置く準備

①経理業務のDX化を済ませておく

コロナ渦により、日本企業のDX化は10年分先に進んだとも言われています。言うまでもなく経理業務のDX化も進められてきました。

具体的には、判子が電子判子に変わったことで、社外からでも判子を使用することができたり、請求書が電子化されたことで印刷業務やポストへ投函する業務が無くなり、どこからでも請求書の作成・発行をすることができるようになりました。

他にも経費精算をDX化することで小口現金管理をなくしたり、通帳をDX化したり、通帳を会計ソフトと連携させて記帳業務をDX化することで、ATMに行かなくとも記帳業務を行うことができるようになります。

様々なツールを使用すれば、経理業務のほとんどをDX化することができます。

経理業務を社外に置くためには、まずは経理のDX化を済ませておく必要があります。

②承認フローのルールを明確に決めておく

ツールを導入すれば経理業務をDX化することは容易にできます。しかし、DX化しきれないものがあります。それが承認業務です。

例えば経費精算を行うにしても、経費として認めてもらうためには上司の承認が必要になります。経理業務をDX化すると、顔色を伺った経理業務を行うことができなくなるため、承認フローのルールを明確に決めておく必要があります。また承認した領収書はどこに保管しておくべきなのか等、承認フローに付随する全ての作業を明確にルール化しておきましょう。

また、承認フローのルールを明確に決めることで、曖昧な承認や、暗黙の了解、古いしきたりなどこれまで見過ごされていた見直すべきポイントを洗い出すこともできます。

③必要最低限の経理の知識を身につけておく

必要最低限の経理の知識を最高経営層と経理担当者との窓口になる人は身につけておくと良いでしょう。全く知らない状態ですと、毎回説明から始まり理解するまでの時間を有してしまいます。そうなるとせっかく経理担当者をアウトソーシングしても、時間的コストがかかってしまいますし、仕事が滞ってしまいます。

貴社の事業を成長させるために、必要最低限の経理の知識を身につけておきましょう!

経理担当者を社内外におくそれぞれのメリット

経理業務のDX化と承認フローや各種ルールを明確化し、経理の知識を身につけておくことができれば、経理業務はアウトソーシングすることができます。アウトソーシングをすることで、人件費を削減できたり、本業に集中できる時間が作れ、これまで経理に割いていた時間を他の業務に利用することができるようになります。経理をアウトソーシングすることは、企業の事業を成長させる上で欠かせないものとなってくるでしょう。

経理業務を内製化で行いたい場合は、クラウド型の会計ソフトを導入するなどして、経理業務にかかる時間を削減させましょう。経理業務にかかる時間が削減されることで、人員のコストを下げることも可能になります。

いかがでしたでしょうか?

経理担当者を社外にいつでもおけるようにしておくことで、属人的な社内の経理業務を改善することができます。まずは、経理業務を社外におくと想定して、社内の経理業務を見直すところから始めてみてはいかがでしょうか?